通信制高校でも部活動は楽しめる!しかもバラエティ豊富!
通信制高校は自宅学習が中心で、登校は年に数日のスクーリングのときだけです。
仕事や子育てで忙しい人にとって通信制高校は自分のペースで学べるのがメリットですが、全日制高校と同じように部活動も楽しみたいという人もいます。
しかし、「通信制高校には部活動がない」とか「そんな時間が設けられていないのでは?」と思う人がいるかも知れませんね。
現実には、通信制高校でも部活動をやっている学校はたくさんあります。このページでは、通信制高校の部活動についてくわしくご説明します。
公立通信制高校の部活動
公立の通信制高校は月に数回スクーリングのために登校しますが、基本的に毎日の通学はありません。
そのため、部活動はあまりできないと思われがちですが、全日制高校ほどの時間は取れないもののさまざまな部活動を実施しています。
公立の通信制高校の部活動の活動内容
いくつかの公立の通信制高校の部活動をご紹介します。
通信制高校 | 運動部 | 文化部 |
---|---|---|
東京都立一橋高校 | バドミントン部 剣道部 ボクシング部 陸上競技部 硬式テニス部 水泳部 サッカー部 ダンス部 女子バスケットボール部 |
写真部 茶道部 読書部 演劇部 軽音楽部 デコパージュ部 英語学習研究部 |
東京都立新宿山吹高校 | 軟式野球部 硬式テニス部 柔道部 |
数学部 デッサン・工作部 演劇部 写真部 日本舞踊部 |
神奈川県立横浜修悠館高校 | サッカー部 弓道部 卓球部 ダンス部 テニス部 バスケットボール部 バドミントン部 陸上競技部 |
囲碁・将棋部 演劇部 軽音楽部 茶道部 書道部 パソコン部 美術部 文芸部 漫画研究部 放送部 吹奏楽部 フラワーアレンジメント部 音楽研究部 |
大阪府立桃谷高校 | ソフトボール部 バレーボール部 バドミントン部 山岳部 バスケットボール部 サッカー部 テニス部 卓球部 |
ESS部 歴史文化研究部 朝鮮文化研究部 パソコン・カメラ部 書道部 音楽部 美術部 |
これらの部活動は強制ではなく参加は自由ですが、友だちを作るいいチャンスですので、ぜひ参加してみてはどうでしょう。
公立の部活動は活動時間が短い
公立の通信制高校の場合は、私立校のように通学コースがありません。そのため、部活動は週 1~2回のスクーリングの後に実施されます。
当然練習時間も短くなりますが、仕事をしながら通う人でも時間を工夫して活動しています。部活動が仕事や勉強の息抜きになっていると言えるでしょう。
全国大会に出場するケースも
なかなか練習時間が取れない公立通信制高校の部活動ですが、それでも頑張って全国大会に出場するケースもあります。
例えば大阪府立桃谷高等学校のソフトボール部は2018年8月に開催された「第65回全国高等学校定時制通信制軟式野球大会」に初出場しました。
通信制高校の場合は独自での大会出場が難しいケースが多いため、定時制高校との合同チームで大会が行われます。同校はその全国大会に出場したのです。結果は1回戦敗退でしたが、全国の定時制高校や通信制高校で学ぶ生徒と交流する機会が持てたことは、試合の結果以上に有意義なことだったのではないでしょうか。
私立の通信制高校の部活動
私立の通信制高校でも、さまざまな部活動があります。
運動部の中には強豪校も
私立の通信制高校の運動部には下記のようなものがあります。
- サッカー部
- 野球部
- 陸上部
- 柔道部
- バスケットボール部
- バレーボール部
- テニス部
- 卓球部
- 水泳部
中には全国大会に出場するほどの強豪校もあります。
通信制高校で学ぶ生徒の中には人との交流が苦手だという人がいるかも知れません。その場合は陸上や柔道、剣道などの個人競技を選ぶといいですね。
また、人との交流が苦手でもチームプレーを通して積極的に人と関われるようになったというケースもあります。自分で「これはダメ」と決めつけずにいろいろ挑戦してみましょう。
多くのスポーツ選手を輩出する通信制高校も
青森山田高等学校(全日制課程)は硬式野球やサッカー、バドミントンなどで全国大会を制覇するほどの強豪校です。
同校の通信部にも数多くのスポーツ選手が在籍・卒業しています。有力な選手は日本国内の試合だけでなく海外遠征や合宿などが多く、全日制高校に通うのは難しくなります。授業の出席時間が少なくなると卒業することが困難です。
そういった場合でも通信制高校なら登校は月に3~4回だけなので、練習や試合に集中できます。その結果、トップアスリートとして活躍する選手が多くいます。
学内で大会を実施
第一学院高等学校は全国各地にキャンパスがあり、各キャンパスで部活動が行われています。特にフットサル部は全校にあり、同校独自のフットサル大会「WITHUS DAIICHI CUP」を開催しています。
普段は出会えない全国各地の仲間が部活動を通して顔を合わせられるのはいいことですね。
バラエティ豊富な文化部
一方、文化部でも下記のようにバラエティに富んだ活動を行っています。
- 軽音楽部
- ダンス部
- 美術部
- 書道部
- 吹奏楽部
- コーラス部
- ゲーム部
- アニメ部
- 茶道部
- 華道部
ネット学習が中心の通信制高校でも部活動
NHK学園高等学校は昭和28(1953)年にNHKのラジオ放送で通信高校講座をスタートさせました。現在ではインターネットを中心に学習を実施し、多くの生徒が在籍しています。
このようにネット学習が中心の同校ですが、東京本校には体育館がありさまざまな部活動を行っています。
軽音楽部などの文化部の活動も活発です。
通信制高校の部活動の特徴
ここまででご紹介したように公立でも私立でもさまざまな部活動が行われていますが、通信制高校ならではの特徴や悩みがあります。
- 練習時間が短い
- 練習場所が少ない
- チームのメンバー全員がそろわない
- 試合(大会)に出場できる機会が少ない
- キャンパスによっては部活動がないところがある
通信制高校の部活動の最大の悩みは練習時間が短いこと
全日制高校の部活動は毎日の放課後と土日に練習できます。場合によっては授業の前に朝練をするところもあります。
練習時間が豊富なのが全日制の特徴ですが、通信制高校の場合は登校日が限られているため、全日制高校と比べると圧倒的に練習時間が少なくなります。
メンバーがそろわない
また、野球やバレーボール、サッカーのようにチームプレーをする競技の場合、なかなかメンバーがそろわないという悩みがあります。
その結果、試合にも出場できないということも多々あります。
通信制高校での部活動は大会出場が目的ではなく、スクーリングの機会を利用して学友との交流を図り、勉強や仕事の息抜きやリラックス効果などを期待するものととらえるといいでしょう。
キャンパスによっては実施していない部活動があるので要注意
広域の通信制高校は全国各地にキャンパスがあります。しかし、キャンパスによっては生徒数が少ない、練習できるグラウンドや体育館がないなどの理由で実施していない部活動があります。
各学校のホームページで部活動の様子が紹介されていても、中には実施されていない部活動があるということを理解しておきましょう。
通信制高校の中には大学や高校のグラウンドやプールを併用して使えるようにしているところがあります。
各学校の資料に詳しく書かれているので、気になるところがあれば見てみましょう。
通信制高校の全国大会
通信制高校は練習時間や場所、メンバーの参加状況などの要素によって思うような活動ができないという側面がありますが、それでも困難を乗り越えて練習の成果を発揮できる場所があります。それが「全国大会」です。
現在、定時制と通信制の高校のための全国の体育大会には次のようなものがあります。
- 軟式野球
- 陸上競技
- 自転車競技
- 卓球
- ソフトテニス
- 柔道
- 剣道
- バレーボール
- バスケットボール
- サッカー
- バドミントン
歴史ある定時制通信制野球大会
その中でもっとも歴史が古いのは「全国高等学校定時制通信制野球大会」です。
試合は主に明治神宮球場やその周辺の球状で行われ、「もうひとつの甲子園」や「2つ目の甲子園」とも呼ばれています。
人数不足を補うため、女性の参加も認められているのが全日制高校との大きな違いです。
第1回大会が開催されたのは1954年(昭和29年)で、初年度の参加校はわずか6校のみでしたが、その後、参加校は徐々に増えていき一時期は45校が参加するまでになりました。ただ、近年は減少し、25校程度が参加しています。
この大会は全日制高校の野球大会と比べると知名度はあまり高くありません。北海道や沖縄などの遠い学校になると、スタンドに数えられるくらいしか観客が集まらないこともあります。
しかし、地元の在校生を含めた応援団が駆けつけたり、同じ学校のブラスバンド部が合奏したりするところもあるなどみんなで盛り上げようという空気があふれています。
こういったところでも通信制高校の一面を知ることができますね。
通信制高校でも部活動は可能
通信制高校でも運動部や文化部の部活動が行われています。
ただ、内容は学校によって異なるので、事前に資料請求やオープンキャンパスで確かめておきましょう。