不登校になってしまったら学歴はどうなるか不安!でも通信制高校なら高卒が可能
不登校はさまざまな原因で起こりますが、欠席が続くと授業がわからなくなり、ますます学校から足が遠のいてしまいます。
進学にも影響を与えるため、保護者や家族、教師など周囲も心配するケースが多くあります。
このページでは不登校になってしまった場合の対策と、通信制高校を選択することで高校卒業が可能であることについてご紹介しています。
不登校になってしまった場合の子どもへの影響
まず、不登校になってしまった場合にどのような影響が出るのかについて見ていきましょう。
- 授業が遅れる
- 友達関係が築けず社会性が育たない
- 自信を喪失する
- 高校進学が難しい
- その結果、学歴が中卒になってしまう
こういった影響が考えられます。これらをひとつずつ見ていきましょう。
不登校の影響① 授業の遅れ
授業に出られないため、どうしても学習が遅れてしまいます。自宅で教科書を見ながら自習するにしても、わからない箇所があるとその先に進めずに困ってしまうでしょう。
学校の授業は毎日の積み重ねなので、数日の遅れでも影響が大きいものです。不登校で30日以上学校に行けないと授業はかなり遅れてしまいます。
また、友達との話題も合わないことが増えるので、孤立する可能性が考えられます。
不登校の影響② 友達との関係が築けず社会性が育たない
学校は授業で勉強を学ぶだけでなく、友達との会話や遊び、さまざまな活動を通して社会性を培っていく場所です。仲よくするだけでなくケンカをすることも結果的に人の気持ちを知ったり、言葉使いや態度などを学んだりする学習の場になります。
また、遊びやスポーツを通して我慢することやルールを守ることなどを知っていきます。
ところが不登校で学校に行かないと友達と接する機会が減ってしまい、人とのトラブルは減りますが、受ける刺激も少なくなり、社会性を身につける機会が減ってしまいます。
不登校の影響③ 自信を喪失する
不登校はさまざまな原因があり、必ずしも本人が怠けているわけではありません。しかし、本人も家族も後ろめたい気持ちを感じてしまいます。
また、年齢が上がるほど「自分はダメな人間だ」と思うようになり、自信を喪失するケースが多いようです。それが「無気力」につながり、自暴自棄になることもあります。
また、将来に対しても悲観的になって前向きな努力をしようとしなくなることもあります。
不登校の影響④ 高校進学が難しい
日本では小学校・中学校は義務教育なので、不登校になっても保健室登校や支援センターでの学習、自宅でITを使った学習なども認めてくれて、卒業することができます。
中学校を卒業すれば高校受験は可能ですが、不登校で学力が低下していると入試に合格するのが難しくなります。また、高校入試では調査書(内申書)も合否に影響を与えます。不登校の場合は受験でも不利になるでしょう。
不登校の影響⑤ 学歴が中卒になってしまう
中学校は卒業したものの不登校が原因で高校入試に落ちてしまい、学歴が中卒になってしまうというケースがあります。
また、高校には進学したいけれど中学校の同級生と同じ高校に入ると、不登校だったことでいじめられたり悪いウワサを立てられたりするのではないかという不安が出てきます。
そのため、高校進学を断念する人も多くいます。
中卒は後の人生にも影響を与える
人は学歴だけで判断されるものではありませんが、まだまだ日本の社会は学歴を重視するところがあります。
特に就職では履歴書で最終学歴が中卒となると、不採用になったり、採用後も出世に不利だったりしがちです。さらに結婚でも「中卒」というだけで、相手の家族から低く見られる懸念があります。
このように不登校はさまざまな面に影響を与えます。
不登校を後悔する人が多い
不登校に至る理由や背景はさまざまで、本人も決して好んでやっているわけではありません。
不登校だった人はその後、どう感じているのでしょうか。
不登校経験者の40%が後悔
不登校経験者を対象にしたある大学の調査で「学校に行かなかったことをどう思っているか」と聞いたところ、次のような回答が寄せられました。
- 行けばよかったと後悔している……38.9%
- 当時は仕方がなかった……31.7%
- 何とも思わない……17.5%
- 行かなくてもよかった(不登校を肯定)……11.8%
不登校を後悔する理由
約40%の人が不登校を後悔しています。もちろん、そのときはどうしても行けないという理由があり仕方がなかったのですが、それでも「行っておけばよかった」と思う理由として、次の点をあげています。
- 学校に行って学力をつけていれば希望の学校に進学できた
- やりたい仕事に就くために大学や専門学校に行けた
- 周囲の人が学生時代の話を楽しそうにしているとうらやましく思う
- 友人関係がなくなった
- 学校行事に参加できず学校時代の思い出が少ない
- 対人関係の経験が乏しく、社会に出ても自分は未熟だと感じることがある
- 学力だけでなく一般知識が乏しいと感じることがある
- 卒業アルバムに自分の写真が少ないのはさびしい
このように当時は気づかなかったことが大人になってから痛感することが多いようです。
一方でいじめなどの原因で不登校になった人の中は、「無理して登校していたら精神を病んだり、自死したりしていた可能性がある」と振り返るケースもあります。自分の心身を守るためにも不登校はやむを得ない手段だったということがわかります。
不登校になっても通信制高校で夢を実現
もちろん「不登校=人生に失敗」というわけではありません。人生は何歳からでもやり直しができますし、ましてや若い中高生の場合は不登校もひとつの経験ととらえて前向きに生きていくことが大切です。
ただ、学生時代にしか経験できないことがありますし、小中学校は卒業できても高校進学で壁にぶつかるケースが多いようです。そんな場合は通信制高校に入る方法があります。
不登校になってしまった人に通信制高校がおすすめの理由
不登校になってしまった人の進学先として通信制高校がおすすめの理由は、次のようにいくつかのメリットがあるからです。
- 心のケアをしてくれる
- 高校卒業資格が取れる
- 大学進学も可能
- 高校の授業以外にやりたいことがあれば、そのための時間が取れる
心のケアをしてくれる
通信制高校のほとんどのところが入学に際しては学力や中学校の内申書を問わず、受け入れをしています。そのため、中学校で欠席日数の多かった生徒でも温かく迎え入れてくれます。また、臨床心理士やカウンセラーなどの専門家を置いて、登校や対人面で不安のある生徒への心のケアも充実させています。
登校も自分のペースで無理なくできるようになっています。学校に行くことに不安や抵抗のある生徒でも、先生や専門家が親身に相談に乗ってくれるので安心できます。その結果、自信を取り戻す生徒が多いようです。
高校卒業資格が取れる
通信制高校は全日制高校と比較すると「登校日数が少ない(自宅学習が中心)」「単位制で留年がない」など形態が異なりますが、高校教育課程のひとつであることに変わりはありません。
74単位修得で高校卒業
通信制高校の学習期間は3年以上となっています。その間に課題のレポートを提出しスクーリングに出席すると単位の認定試験が受けられます。
74単位を修得すれば「高校卒業」となります。
受講する科目は必修科目以外に自分でさまざまな分野から選べるようになっています。
なお、私立の通信制高校では公立校にはないコースが設けられています。将来のために技術を身につけたり、打ち込めるものを見つけたりして高校生活にやりがいを感じる人が多く見られます。
また、私立ではサポート校を併設していて、大学進学のための個別指導やサポートに力を入れているところもあります。
大学進学も可能
上にも書きましたが、通信制高校ではサポート校と提携しているところも多く、そのサポート校には大学進学を重視したコースを置いているところもあります。
他にスポーツコース、芸術コース、資格取得を目指すコースなど、サポート校によってさまざまなコースが用意されています。
やりたいことのための時間が取れる
全日制高校では昼間の多くの時間を授業で費やします。一方、放課後は部活動に充てる人もいて1日の大半を高校で過ごします。しかし、中には学校では経験できない専門分野(スポーツや芸術、芸能活動など)に時間を多く使いたいという人がいます。
通信制高校なら登校の必要がないので、そういった活動をしながら、合間の時間で勉強に取り組めます。その上、高校卒業の資格も得られるので、現在ではスポーツ界や芸術分野の中でも通信制高校を利用する人が増えています。
まずは資料請求から
通信制高校への入学を考えているなら、まずは気になる学校すべてから資料を請求しましょう。その中から何校かピックアップし、親子で学校を訪問して雰囲気を確かめてください。
多くのところは2期制になっており、中学を卒業してすぐの4月からの他、10月からも入学を受け付けています。その前にオープンキャンパスを実施しているところが多いようです。そのときに不安点やわからないことがあれば、何でも質問してみましょう。
不登校になってもあきらめないで!
不登校はさまざまな原因でなってしまいます。中には後で後悔することもありますが、そのときはやむを得ない事情があるからです。
自分を責めないようにしましょう。
また、不登校でも中卒であきらめる必要はありません。
通信制高校なら自宅学習が中心で、自分のペースで高校卒業が可能です。
また、将来の夢の実現に役立つさまざまなコースがあります。まずはいくつかの学校から資料を請求し、検討してみましょう。