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不登校の定義とは「心理的、情緒的、身体的、社会的要因で登校しない生徒」

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不登校の定義とは?引きこもりとの違いや何日欠席で不登校になるか紹介

不登校

「不登校」とは、心理的、身体的、社会的な要因から文字通り学校に行かなくなってしまうことになってしまうことです。

しかし、国が定める「不登校」及び「ひきこもり」の定義(本当の意味)を知らない方は多く、そのせいで適切な対策ができない方は少なくありません。

そこでこのページでは国が定める不登校の定義やひきこもりとの違いなどを紹介していきます。

文部科学省による不登校の定義

不登校と聞くと、多くの方は『学校に行かない子ども』のことを指すと思うはずです。

間違っているワケではありませんが、不登校には国が用意した明確な定義(条件)があります。つまり、単に学校に行かないだけでは不登校とは言えないのです。

何らかの心理的、情緒的、身体的、あるいは社会的要因・背景により、登校しないあるいはしたくともできない状況にあるために年間30日以上欠席したもののうち、病気や経済的な理由による者を除いたものと定義

引用:文部科学省「不登校の現状に関する認識」

こちらが現在の文部科学省が定めている不登校の定義です。

実は不登校という言葉そのものがここ数十年で生まれた単語で、1992年までは「学校嫌い」という名称が使われていました。

不登校になるのは原因は多岐にわたり、決して「学校が嫌い」というものだけではありません。そのため、この変更は正しいと思います。

不登校の定義におけるポイント

「病気」や「経済的な理由」で学校に行けない場合は不登校とはみなされません。

不登校になるきっかけはさまざまですが、文部科学省が統計を取り分析した結果、次の3つが大きなきっかけになるとしています。

  1. 学校生活に起因するもの
  2. 本人の問題に起因するもの
  3. 家庭生活に起因するもの

では、これをひとつずつ見ていきましょう。

学校生活に起因するもの

いじめやいやがらせをする子どもの存在、教職員との人間関係、授業についていけない等、学校生活上の影響から登校しない(できない)タイプが該当します。

ただ、このタイプは一時期は本人が混乱していますが、それが落ち着けば登校可能なケースが比較的多いです。そのため、学校では学級担任の配慮や指導、援助などをして長期化しないように取り組んでいます。

本人の問題に起因するもの

病気が原因で休むのは不登校には該当しませんが、最初のきっかけが病気であっても回復してからも学校に行けなくなるケースが見られます。

また、生活のリズムが夜型になったり、非行や遊びに比重を置くようになったりして不登校になるケースも増えています。

家庭生活に起因するもの

家庭内の不和や家庭内での問題、親子関係の悪化などがきっかけとなり、不登校になるケースです。

ただ、統計ではこの「家庭生活に起因する不登校」の割合はそれほど多くありません。

子どもが不登校になると保護者が「自分の育て方が悪いのだろうか」と自分を責めるケースがありますが、不登校の原因は非常に複雑で1つに絞り切れないことが多いのが現実です。

保護者の方でこの記事をご覧の場合、あまりご自分を責めないようにしてください。

不登校とひきこもりの違い

不登校とよく似た言葉に「ひきこもり」があります。関東自立就労支援センターのホームページによると、ひきこもりとは「さまざまな要因によって社会的な参加の場面が狭まり、就労や就学などの自宅以外での生活の場が長期にわたって失われている状態のこと」です。

「就学など自宅以外での生活の場が長期にわたって失われる状態」は不登校と同じですが、それ以外にも就労の場も失われていることを指します。

そのため、ひきこもりには不登校と異なり学齢期を過ぎて成人した後も社会に出ることができない人も含まれます。

ひきこもりの原因は複雑

ひきこもりの原因はひとつだけではなく、さまざまな要因が絡み合って起こると言われています。

また、最近は統合失調症などメンタル面の疾患が原因でひきこもりになる人も多くみられます。

不登校になった場合に学校が行っている対応

不登校になってしまうと、保護者も学校側も「何とか学校に行かせよう」とします。

しかし、本人はどうしても学校に行くことができません。また、無理やり引っ張って行ったとしても、それがさらなるストレスになって状況が悪化する可能性があります。

義務教育と高校での不登校生徒の対応について見ていきましょう。

義務教育の期間内で不登校になった場合

小学校・中学校は義務教育ですが、もし不登校になった場合に文部科学省では次のように対応するようにしています。

  • 教育支援センター(適応指導教室)や民間施設など学校外の機関で指導等を受けさせる
    一定要件を満たすときに出席扱いとすることができる
  • 自宅でIT等を活用して学習活動を行い、訪問による対面指導が適切に行われているなど一定要件を満たす場合は出席扱いとする
  • 不登校のため中学校を卒業できない生徒が、同年齢の生徒に遅れることなく高校受験が可能となるよう中学校卒業程度認定試験を受けさせる
  • 高等学校入学者選抜に当たって、調査書以外の選抜資料の活用を図るなど適切な評価に配慮する
  • 必要が認められた場合に不登校児童生徒の実態に配慮した特別の教育課程を編成する

このように不登校でも義務教育が卒業できるように、また高校入試が受けられるようにさまざまな配慮を行っています。

小・中学校の卒業は出席日数で左右されない

なお、小中学校の卒業要件に出席日数は含まれていません。そのため、不登校で欠席日数が多かったとしてもそれを理由に卒業できないということはほぼないです。

ただし、卒業できるかどうかは校長の判断で決まります。

高校で不登校になってしまった場合

高校は義務教育ではないため、不登校の期間が長くなると卒業できなくなる可能性が高いです。

高校の卒業要件

学校教育法で、高校を卒業するための条件が次のように定められています。

  • 3年以上在籍
  • 合計74単位以上を修得

不登校などで出席日数が足りない場合や試験の成績が悪い場合などは「原級留置(げんきゅうりゅうち)」となり、卒業ができません。

原級留置とはいわゆる「落第」や「留年」と同じで、次の学年に進級できなくなってしまいます。そのため、人によってはズルズルと欠席を続けて高校中退に至るケースもあります。

しかも高校は義務教育ではないため、本人の成績や出席日数、非行などが原因で進級できない場合の学校からの救済措置は乏しいです。厳しい高校では1年でも留年すると退学になるケースがあります。

高校で不登校になり、自身や家庭での解決が難しい場合は不登校支援をしている施設・教育機関を頼る必要があるでしょう。

不登校になった場合は通信制高校へ進学・卒業を目指すのがおすすめ

小中学校で不登校になっても、卒業だけは何とかできます。しかし、その後全日制高校に進学するには、さまざまな壁を感じることになるでしょう。

また、高校で不登校になった場合は卒業が難しくなります。しかし、不登校であっても通信制高校を利用すれば高校卒業が可能です。

不登校になった人に通信制高億がおススメの理由

不登校になった人に通信制高校がおススメの理由としては、次の点があげられます。

  • 新入学だけでなく、学年の途中からでも転入できる
  • 転入の場合は全日制高校で修得した単位が引き継げる
  • 登校せずに自宅学習が中心なので不登校の生徒でも安心
  • 学区外の高校に入ることが可能なので、在籍していた学校の生徒と顔を合わせなくてもいい
  • 卒業までに3年以上かかっても大丈夫
  • 高卒の資格が取れる
  • 教室での一斉授業ではないため、自分のペースで学習できる
  • 私立では個人指導にも力を入れているので中学校時代の学習のつまずきにも対応できる
  • 週2~3日の通学コースもある
  • 資格取得などさまざまなコースがある

このように通信制高校なら、「学習の遅れ」や「登校の不安」「以前のクラスメートの視線」などを気にすることなく高校卒業ができます。

また、さまざまな資格取得のサポートがあるので就職で有利になるほか、大学進学に力を入れている通信制高校も多いので進学も可能です。

通信制高校なら学習でつまずいた箇所から勉強が可能

不登校で長い間学校で勉強をしていないと、高校の教科書が理解できない場合があります。しかし、通信制高校なら教室の一斉授業ではなく自宅で学習するのでほかの人のペースを気にする必要がありません。

また、私立の通信制高校では個人指導や少人数制授業を行っていて、中学校でわからなくなった箇所に戻って教えてくれるところが大半です。勉強がわかるようになると自信が持てますし、学習が楽しくなっていきます。

そういった点でも通信制高校はおススメできます。

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通信制高校への転入は単位の引き継ぎが可能なのも大きい

入学試験を受けて全日制高校に進学したのに、途中で通信制高校に転入するとそれまでの努力がもったいないと感じる人がいるかも知れません。

しかし、全日制高校で修得した単位は通信制高校に引き継ぐことができます。例えば全日制高校に1年間で25単位を修得している場合は、通信制高校で残りの49単位を修得すれば卒業できます。

そのため、全日制高校で学んだことは決して無駄にはなりません。

※単位の引き継ぎは学校によっては条件を設けている事があります。事前に無料請求できる資料を確認するか、学校に問い合わせしておきましょう。

不登校の定義まとめ

不登校に定義される子どもの多くは、学校に通うことに強い恐怖や抵抗を覚えています。

その原因は「不登校は悪いこと」「不登校になった自分はダメなんだ」という思い込みです。

本来、不登校になる子どもは一切悪くありません。大半はいじめや周囲の環境が原因ですが、そういった社会の雰囲気、常識が子ども追い詰めています。

ただ現在は不登校という言葉すらなかった30年前よりも頼れる機関がはるかに増えており、不登校の子どもを救うノウハウも充実しています。

子どもが不登校になっている場合、まずは不登校は決して悪いことでないと伝え、不登校からの復帰や不登校受け入れをしている通信制高校などへの転入を検討してみると良いでしょう。

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